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蓑豊『超・美術革命』は金沢21世紀美術館への関心が高まるオススメの一冊

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私が美術館に足を運ぶようになったきっかけ

余談ですが、私は昨年ほど前から美術館によく足を運ぶようになりました。

その理由の一つとして今回紹介したい本があります。

蓑豊さんという方の『超・美術館革命』という本です。

この本の内容にすっかり魅了された私は、以前に増して現代美術館というものに親近感を覚えるようになりました。

以下、その魅力をザックリ紹介したいと思います。

本書の魅力

①、著者・蓑さんの人間的魅力

この本の著書、蓑豊さんは金沢にある金沢21世紀美術館の初代館長として尽力された凄腕キュレーターです。

慶應大学文学部で美術を専攻したのち、ハーバード大学の大学院で博士を取得されている蓑さんは、学歴だけでなく美術に対する姿勢も、とても真摯であるということが文章ににじみ出ていました。

それだけでなく、彼の強みは人脈作りです。美術館の宣伝を行うに際し、沢山のお金や人でが必要になるわけですが、蓑さんは周りを巻き込み、さまざまな企画を成功させていきます。

自分の人生を一歩一歩階段を上るように積み上げながら、前へ前へと進んでいく姿勢がとてもかっこよく姿がとてもかっこいいんです。

美術に興味がない方でも、伝記として楽しめる一冊だなと感じました。

②、金沢21世紀美術館に行きたくなる!

私は子供のころ、金沢21世紀美術館には何度か足を運んだことがあったので、より身近に本著を楽しむことができたのだと思います。

金沢21世紀美術館といえば、下に人間がもぐりこみ、プールの底から見上げることができるというレアンドロ・エルリッヒの<スイミング・プール>という作品で知られている現代美術館です。

私も両親とともにこの美術館に訪れ、この作品を妹と一緒に楽しんだ記憶がありました。

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繰り返しますが、本書はこの金沢21世紀美術館の館長を務めた蓑豊さんの自伝本のような形になっています。

そしてこの現代美術館を成功させようという蓑さんの、熱く、賢く、フレキシブルな美術館経営論を楽しむことができました。

また日本の美術館のあり方、学芸員のあり方、そしてこれから美術館はどうあるべきであるのか色々と考えさせられる一冊となっています。

個人的には金沢21世紀美術館の宣伝に、蓑さんが”子ども”をターゲットに据えたという点に興味を抱きました。

③、美術館の宣伝・集客に使った○○の力

美術館といえば、静かに足音一つ立てないで歩くのがマナーである。

そんな印象を抱いてはいませんか?

蓑さんは、アメリカの美術館を実際に目にすることで、日本における従来の静かで大人のハイブロウな場所という美術館というイメージを壊したいと考えました。

そのため無料展示を増やし、子どもと老人の憩いの場として町に根差した美術館づくりを想定したのです。

蓑さんは

「子供のころに、親に美術館に連れていかれた子どもは、自分が大人になった時、子どもを連れて美術館に帰ってくる」

と語っています。

海外で培った学芸員としての才覚を生かして、本来、美術館というものがもつ影響力をフルに発揮させ、従来の既成概念を打ち崩す美術館のあり方を模索する姿には、はっとさせられるものがありました。

④、美術とお金の切っても切れない結びつき

私みたいなナイーヴな人間は、商業的な話になるとふぅんと逃げ出したくなる人間なのですが、この本を読むことで美術館で一つの展示を行うために、どれほどの資金が必要なのか、資金集めのためにどれだけ学芸員が苦労するかに気づかされました。

私がこの本の魅力を”蓑さんの人間性が垣間見れる点”と指摘するのは、この資金集めの点に関しても他人を巻き込む熱量と、状況を客観的に分析し、好転させることができる芯の強さを見た気がしたからです。

最後に

この本を読んで、美術館に関しては興味を持っていながら、まだ足を踏み入れていない場所がたくさんあると感じました。

また金沢21世紀美術館は建築家の妹島和世さんが手がけたことでも知られていますが、建築についてももう少し知識を深めたいと素直に感じました。

気軽に読める一冊としても文句なしにお勧めの一冊。

ぜひ、機会があれば一読ください。

関連リンク
超・美術館革命―金沢21世紀美術館の挑戦 (角川oneテーマ21)

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