オランダといえば首都・アムステルダム!
今回の記事ではヨーロッパ旅行の際に訪れたオランダの首都・アムステルダムを振り返ってみたいと思います。
アムステルダムの滞在は日帰りの弾丸旅行!
その結果、スケジュールが盛りだくさんですっかり疲れてしまいました。これから旅する人に向けた、反面教師的な内容になると思います。
これから旅行に行く人が、体力ときちんと相談して、良い旅を送って下されば、幸いです。
アムステルダムへの行き方は?
まず、アムステルダムへのアクセスについて。
私は同じオランダのロッテルダムという都市から、日帰りでアムステルダムを観光しました。
※ロッテルダムに関しては以下の記事を参考にしてください。
片道1時間ほどの距離ですので、大阪から京都に遊びに行くような感覚で行けます。
折角なのでアムステルダムに宿泊することも考えたのですが
- 宿の値段がギリギリで高騰していた
というのが主な理由で、あくまで日帰りのみの観光になりました。やっぱり予約は早目に越したことはないですね。
ちなみに、片道のお値段はこんな感じです。
▲他の国からのアクセスもレイル・ヨーロッパで事前に確認し、場合によっては予約をしておくとよいかと思います。ヨーロッパでの移動手段については、下の記事にもまとめました。宜しければ参考にしてください。
チケットは予約をしていなくても駅の券売機で買うことができます。
私もこの日券売機でチケット購入!
早朝から駅へと足を運び、アムステルダムへいざ出発です…!
朝食は宿にあったバナナをいただきました。
ただのバナナでしたが、列車の中で食べると不思議です。何だか、いつもよりおいしく感じました。
毎度ながら、新しい場所に行くときは、とてもワクワクしますね。
アムステルダムの「フリーパス(I amsterdam.city card)」は買うべき?
さて、アムステルダムの駅に降り立った私。
一番最初に向かったのが、アムステルダムの主要観光施設をめぐるときに使えるこちらのフリーパスです。
その名も「I amsterdam.city card」です。
アイアムステルダムッ!!!
うわぁ、なんか布団が吹っ飛んだ!!!的なカッコいい響きがします。
ちなみにこちらのフリーパスは、駅構内のこちらの施設で購入することができます。
値段は時間ごとに、以下のようになっています。
私が買ったのは24時間の57€パスでした。
で、一言で感想をまとめると、このフリーパス…
買わなければよかったです(えー何故!?)
というのもベルギーの時と同じ理由で
- 1日観光なのにフリーパスを買うと割高
- 施設を回りきる時間がない
- フリーパス分の値段を消化することに疲れてしまう
といった理由が挙げられます。
さらにいえば
- フリーパスを持っているからといって、優先的に(並ばずに)施設の中に入れるといったシステムはない
- オランダ国立美術館がパスの中に含まれていない(2017年から運河クルーズに変更?)
というのが大きな欠点になるかと感じました。
特にオランダ国立美術館に関しては別途入場料金を払わなければいけません。
この点に関しては、昨年までパスの使用が可能だったようで、ネットの情報も不確かなものになっていました。
なのでフランス・ベルギー・オランダ其々の首都のフリーパスに関しては
- パリに数日行く場合は「パリミュージアムパス」を購入した方が◎(持っていると並ばなくて済む、値段的にもお得)
- ブリュッセルとオランダの場合は、数日間滞在し、かつ色々な施設を回りたいという希望がある時のみ購入すると◎(優先的に入場できる仕組みなし、値段も少々高め)
とまとめておきます。
多分パリのミュージアムパスが良すぎたのだと思います。宜しければ、以下の記事も参考にしてください。
それでは以下、私の訪れたアムステルダムの施設を順にまとめてみたいと思います。ちなみに街巡りの際はこちらのオフライン機能を使用しました。
1、絶対に行きたかった*「ゴッホ美術館」
最初に足を運んだのは一番行きたかったゴッホ美術館です。
正直、この美術館に行くためだけにアムステルダムに訪れたと言っても過言ではないというくらい行きたかった場所でした。
開館前の朝一番に行きましたが、案の定並んでいました。
30分くらい待ち続けて、やっと入館…!
念願です!
この美術館は名前の通り、ゴッホを専門に扱っている美術館になります。でもゴッホをよく知らないという方でも十分に楽しめる内容になっているなと感じました。
第一に
- 日本語のオーディオガイドがきちんとしている
というのが魅力だと感じました。
そのため、英語がわからなくても快適な美術鑑賞ができます。また、この美術館を一通り回るだけで、ゴッホの生涯や作風や有名作の特徴などを知ることができます。
とてもゴッホに対する愛情を感じる、素敵な美術館でした。
観光客で非常ににぎわっていますが、館内は広く、作品数も多いので、混雑で苦しくなるといったことはありませんでした。
お土産屋さんも非常に充実しています。
ちなみに私がゴッホ美術館の中で一番気に入ったのはこちらのグッズのモチーフになっている「花咲くアーモンドの木の枝」という作品です。
この絵は、ゴッホが甥っ子の誕生を祝って、弟夫婦に送った絵になります。
弟テオは金銭的にも精神的にもゴッホを支え続けていた人で、この甥っ子に兄と同じ名前をつけていたりもします。
しかし後にゴッホが自殺。
弟のテオも後を追うように病で亡くなってしまいます。
やりきれないテオの奥さん。絶対に義兄の絵を世間の人に認めさせてやる、という彼女の尽力がなければ、ゴッホはこれほどに名を残す画家にはならなかったとも言われています。
そして、残されたこの弟夫婦の息子は後に成長。
このゴッホ美術館の館長になりました、というオーディオガイドを聞いて私の鼻からは思わず涙が……
う......
ウ゛…ッ…ゴッ、ホッ…ウ゛…うう...
何ということでしょう。
一人で絵の前に立ちながら泣き始めてしまったのです。涙もろいのは承知していましたが、自分でもちょっと引きました。
さておき、ゴッホ美術館。
本当に満足度が高く、行って良かったと心から思える美術館でした。
ちなみに外に出ると、大行列ができていました。
アムステルダムはやっぱり観光客が多いです…!参考にしてください。
2、圧巻のレンブラントを拝みに*「オランダ国立美術館」
次に足を運んだのは、オランダ国立美術館です。
こちらはフリーパスが使えないので別途15€を支払いました。
この美術館の目玉と言えば、レンブラントの傑作『夜警』です。
世界史の教科書でも見たことがる人が多いのではないでしょうか? 17世紀のオランダの街を守る市民を描いたこの作品は図版ではわかりませんが、実際は非常にサイズの大きい絵なのです。
遠目から見ても、こちらにハッと目を引く、非常に迫力ある絵画です。
ちなみに実はこの絵、タイトルは『夜警』ですが、レンブラントが描いたのは昼間の光景だったと言われています。
描かれてから月日が流れて、表面のニスが黒ずみ、夜を描いたものだと誤解されたことで『夜警』と呼ばれるようになったのだそうです。
ちなみにレンブラントはオランダでとても愛されている画家のようで、町には、この『夜景』をモチーフにした銅像などもありました。
自分が死んだ後も国民に自分の絵がこれほど大切にされているなんて、レンブラントは幸せ者ですね。
また、オランダの画家といえば、レンブラントだけではありません。
特に日本人に熱狂的な人気を誇ると言われているヨハネス・フェルメールの絵もあります。
▲フェルメール『牛乳を注ぐ女』(1657):フェルメールの最も知られている作品の1つ。
▲『手紙を読む女(青衣の女)』(1663):フェルメール・ブルーとも呼ばれている当時非常に高価だったウルトラマリンブルーを衣服の彩色に使用している作品。
見どころの非常に多い美術館だと思いますので、ぜひアムステルダム観光の際は足を運んでみてくださいね。
3、小休止*「ダイヤモンド博物館」と「ハンドバッグ博物館」
パスを購入してしまったので、購入分の元をとらなければと、近くにあった博物館に入場してみることにしました。
入ったのは「ダイヤモンド博物館」です。巨大なダイヤモンドが飾られています。
ダイヤモンドが散りばめられたラケットのようなものもありました。
ダイヤモンドがいかに愛され、人々を飾り立ててきたのかという歴史が展開されています。
しかし『ブラッドダイヤモンド』のような映画が好きな自分には、正直それほど興味をそそられる内容ではありませんでした。
天然ダイヤモンドと合成ダイヤモンドを見抜くような審美眼も私にはありません。
ダイヤモンドの煌びやかな歴史を辿るという意味では、足を運びやすい施設かなとも思いました。
もう1つ何気なく足を運んだのが「ハンドバッグ博物館」です。
こちらは思ったよりも見ごたえがあり、女性の連れがいるという方や、女性の一人旅にもお勧めできる場所だと感じました。
思えばハンドバッグの歴史ってあんまりよく知らないんですよね。
展示を通して、少しずつバッグが形態を変えていく 姿を辿ることができて、面白くありました。
見ていて視覚的にも面白いものがありますし、好みのバッグを見つけあいっこしても楽しいと思います。
ポストカードもなかなかお洒落です。
ということで
- 「ダイヤモンド博物館」よりも個人的には「ハンドバッグ博物館」がおすすめ
と簡単にまとめておきます。
パス消化のために訪れる施設を探している人は参考にしてください。
4、町歩きとお昼休憩
一通り施設を巡り、ここで街歩きをしながら昼食をとる場所を探します。
ちなみにアムステルダムの街の景色はこのような感じです。
自転車がとても多いのは、1つ特徴だなと思いました。
とことこ歩いていると、アイアムステルダムカードに割引店として提示されていたお店の前に到着。とりあえず、そこでお昼を食べることにしました。
入ったのはこちらのお店です。
とても景色が良いお洒落なカフェといった感じです。
ちょっとテンションが上がります。
とりあえずランチメニューを頼むと、まずはドリンクが到着。
いやぁ~!これは…!
なんて大胆…♡
日本のカフェで10人分のドリンクに飾るミントが一度に放り込まれています。ぶち込んだぜこの野郎!!!っていう勢いを感じるミントです。
すごくすっきりとしました。
そして届いた料理がこちらです。わーい♡美味しそう!
ちなみにオランダは食事が美味しくないって噂を聞いていたので、覚悟していました。でも、それほど美味しくないっというものを食べる経験はありませんでした(確かに同じ値段なら、ベルギーとフランスの方が美味しいものは食べられます)
のんびり素敵なお昼を食べて、次の目的地に向かって、ふらふらと街を歩き始めます。
ちなみにアムステルダムは町中に流れている運河が世界遺産に登録されている街です。特に施設に入らず、ふらふらと運河沿いに歩いているだけでも十分楽しめるかとも思います。
5、名匠を辿るなら訪れたい*「レンブラントの家」
次に訪れたのが「レンブラントの家」という場所です。その名の通り、オランダの名匠レンブラントのアトリエの跡地を観光地にしたものです。
オーディオガイドもありました。
こういうのがしっかりしていると、非常にうれしく感じます。
中の様子はこんな感じです。
実際に今、使われているわけではないので、形だけといったものになります。
人だかりができているので行ってみると
レンブラントがどのようにして顔料を練り上げていたかといった説明がされていました。こういったレクチャーがあるのは、非常に興味深いです。
全体的にこじんまりとした内容でしたが、絵画好きな方は訪れて損はないと思います。
お土産コーナーも充実していました。
6、行列のできる隠れ家*「アンネ・フランクの家」
ふらっと市を眺めながら、最後の目的地に向かいます。
可愛い置物が沢山あって、ついつい買ってしまいそうになりました。
私が行きたかったのは「アンネ・フランクの家」という施設です。
日本でも『アンネの日記』の作者として知られるアンネ・フランクがナチスの迫害から逃れるために、家族と2年の月日、隠れ住んだ家を利用して作られた博物館です。
個人的には絶対に外せない場所だったので、閉館近い夕方に足を運びました。
が
しかし!!!
(どん!)
(どどん!!!)
(どーんっ!!!)
ディズニーランドもビックリな大行列ができているではありませんか!
私はこの行列を見た瞬間、ふっと足から力が抜けて、並ぶのを諦めました。
もし日帰りでなければ、並んだと思います。でもロッテルダムに帰らないといけなかった。もう正直、体力が残っていませんでした。
そのうえ、もう一つ大きな問題が…!
それがこれ、アイアムステルダムカードです!!!(出たっ!)
このアイアムステルダムカード!!!
実は特典で無料で運河のクルーズに乗れるといったものがついてきます。なので最後にクルーズの列に並んだのですが、こちらもまた大行列なのです!!!
そもそも、私は大の船酔い人間です。
すっかり疲れ果てた今、クルーズなんて絶対楽しめない。
疲れた…!ロッテルダムに帰りたい…!でもこのカード勿体ない…!
長蛇の列にうんざりした私、思い切って隣にいる黒人の年老いた女性に話しかけました。
「このカード、もらってくれませんか?」
私が話しかけた老女は、突然見知らぬアジア人が下手な英語で話しかけてきたので驚いたのでしょう。
(何、この女)
といった感じで、完全に警戒の顔色を浮かべて思いっきり後ずさり。
でも私、めげません。
このカードで無料でクルーズに乗れる、私は乗らずに早く帰りたい、と説明すると隣にいた若い女性(老人の娘さん)が
「ママ…!この人の話、聞いた方がいいわ!」
ときらっと目を輝かせて仲介に入ってくださりました。あらためて説明すると
「本当に貰っていいの!???」と
満面の笑顔。
人を笑顔にするには何かモノをあげるのが一番かもしれないとちょっとニヒルな笑みを浮かべた私は、彼女に快くカードを渡します。
何か一つ最後に良いことをしたような気になりながら、日が暮れる前にアムステルダムを後にしたのでした。
まとめ
ということで今回はアムステルダムへの日帰り観光についてまとめました。
内容をまとめると
- アムステルダム~ロッテルダムは日帰り可能
- フリーパス「アイアムステルダムカード」は1日利用だと疲れる(数日利用の場合はお得かもしれない)
- 観光地は人が多く、行列覚悟
- 食事は思っていたよりも美味しい
- 個人的にお勧めなのは「ゴッホ美術館」
ということになります。
反省点は
- 一日で色々廻ろうと欲張り過ぎて疲れてしまった
ことでしょう。
もっと時間をかけて観光すれば(できれば晴天の日に)アムステルダムの魅力を見つけられたのかなと思うところもあります。
やはり観光は短時間よりも、長すぎるくらいのゆとりを持つ方が楽しいです。
これからオランダに出かける方の参考になれば、幸いです。
それでは、最後まで読んでくださり有難うございました!