【厳選】おすすめの海外文学(短編小説)~薄くて手軽な名作を紹介~

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今回の記事では、今まで読んだことのある海外文学の中から

  • おすすめの短編

を紹介したいと思います。

ちなみに短編と銘打ちましたが

  • 短編~中編

くらいの長さの物語(文庫で200ページはいくかいかないかレベル)もまとめて紹介します。

イメージとしては、長くてこれくらいの厚さまで。

カバンにも入れやすくて、通勤途中の電車の中など外出時のお供にするのもラクなボリュームですね。

読書の負担も軽いので

  • 海外文学読んでみたい
  • 名作を手軽に知りたい
  • 薄い本でサクッと読書したい

という方にも、おすすめできると思います。

個人的な好みによるところもありますが、よろしければ読書の参考にしてください。

目次

スタインベック「ハツカネズミと人間」

最初におすすめするのがこちら『怒りの葡萄』や『エデンの東』でお馴染みジョン・スタインベックの

  • ハツカネズミと人間

という小説です。

これはもう

THE名作

って感じの作品です。

ちなみに私はラストで、涙と嗚咽と鼻水が止まらず呼吸困難のようにガクガクになってしまい、自分で自分にドン引きしました。

舞台設定は地味で、派手さはないです。

全編通して、ずっと砂埃が舞っているようなイメージ。

自分たちの家と農場をもってのんびり暮らすことだけを夢見る二人の労働者の話になります。

良い点は、すごく読みやすいので、誰にでも薦められる点。

かつ最初からラストに向かうまでの流れが流麗かつ精巧、ラストが予想できるうえでもはや完璧だと感嘆するものがあるので目が肥えている文学好きにも満足度は高いと思います。

舞台とかの脚本にもしやすいだろうなと感じました。

読書感想文などの題材とかにもピッタリかも。

装丁も可愛い文庫が文庫がありますし、手軽に何かを読みたいという人にはおすすめしたいです。

コルタサル「悪魔の涎・追い求める男 他八篇―コルタサル短篇集」

次におすすめするのは、打って変わって少し実験的ともいえるようなラテンアメリカ文学の扉を開いてくれる

  • コルタサル短編集

です。

これは私が初めて読んだラテンアメリカ文学なのですが「ラテンアメリカ文学ってこんなに面白かったのか」という良い意味でのショックが強かった一冊です。

映画好きの人は知っている人も多いと思うのですが、ミケランジェロ・アントニオーニの『欲望』という作品の原作が収録されています。

(私はそれきっかけで手に取りました)

どれもあらすじをわかりやすく説明できるような話ではないのですが、簡単に言うと

日常から悪夢へ…

現実と非現実の境目に潜む扉を開ける幻惑の短編集…

って感じです(どういうこと?)

先ほど紹介したスタインベック『ハツカネズミと人間』とは対象的に人を選ぶ本だと思いますが、好きな人はドハマりすること間違いなしという本です。

Amazonのレビューなども参考に、ピンと来るものがありましたらぜひ手にとってみてください。

ちなみにコレ気に入った人には同じくラテンアメリカ文学入門として、ガブリエル ガルシア=マルケスの『エレンディラ』もおすすめです。

(短くて読みやすいので)

残酷な大人向け童話という感じで好みは分かれると思いますが、より幻想的な雰囲気を味わえると思います。

オスカー・ワイルド「ナイチンゲールと薔薇の花」

次におすすめするのは、オスカー・ワイルドの

  • ナイチンゲールと薔薇の花

という短編(というか童話)です。

これはすごく短いので、10分もあれば読めます。

最初に読んだとき、ぱっと赤いバラが砕け散っていく様子が鮮明に浮かび、背筋がゾクッとするほどでした。

(検索すれば全編ネットに転がっているはず)

オスカー・ワイルドといえば「幸福な王子」という童話を既に知っている人も多いと思います。

でも興味があったら「ナイチンゲールと薔薇の花」も含めて

  • サロメ
  • ドリアン・グレイの肖像

なども、ぜひ読んでみてください。

オスカー・ワイルドは(「幸福な王子」もそうですが)一方向的で報われずに散っていく他者への想いや情念を描いた内容が多いです。

その様をどこまでも残酷に美しく描く。

「ドリアン・グレイの肖像」は短くありませんが「サロメ」もかなり読みやすい長さなので、興味がある人はぜひ。

(どちらもKindle unlimitedでスマホから読めます)

トルーマン・カポーティー「誕生日の子どもたち」

次におすすめするのは、トルーマン・カポーティの

  • 誕生日の子どもたち

という短編です。

たった1つ自分の好きな短編小説を棺桶に入れられるのなら、現時点ではこれを選ぶかもしれません。

それくらい好き度が強いです。

ちなみに村上春樹さんが翻訳して、同タイトルの短編集を出しています。

私が最初に読んだのは「夜の樹」という短編集でした。

どちらにも「誕生日の子どもたち」は収録されているので、訳文を比較することもできます。

(ハズレがないので、どの話もおすすめ)

好みもあるので強く主張しにくいですが、読み終えた後はガチで放心しました。

この作品は好きの度合いが高いので、あまりヘタに語りすぎないほうが懸命かもしれません。

気になる方はぜひ。

フランソワーズ・サガン「悲しみよ こんにちは」

次におすすめするのは、こちらフランソワーズ・サガンの

  • 悲しみよ こんにちは

です。

超偏見ですが、フランスという国に対して謎のあこがれを抱いている文学女子は大体10代の頃に「悲しみよこんにちは」読んでると思います。

私自身、高校生くらいの頃に繰り返して読んでいました。

なんかもう題名からして、オシャレで好きだった。

(この題名はポール・エリュアールの詩「直接の生命」の一節から採られたものだそうです)

簡単に説明すると主人公は18歳のセシルという感受性の豊かな少女で、ハンサムな父親とその恋人とひと夏のヴァカンスを過ごすという内容です。

コレを書いた当時のサガンが、まさに主人公と同じ18歳だったというのもポイント。

なので少女から大人に成長する過渡期の心境や特有の気だるさのようなものが、すごく鮮烈に瑞々しく描かれています。

ちなみにこれ、私が今手元にもってる文庫の帯ですが

少女小説の聖典

マジそれな!って、膝を打ちたくなりました。

なんかもう、フランスの「ヴァカンス」って響きからしてオシャレな感じがしませんか…?

若いうちに読んでおきたい海外文学といえばサリンジャー「ライ麦畑でつかまえて」とよく聞きますが、女子には「悲しみよこんにちは」を推したいです。

カミュ「異邦人」

次におすすめするのが、同じくフランスから

  • カミュ「異邦人」

です。

フランス文学って沢山あるじゃないですか?

いっぱいあって何読んだらいいのかわからんって人は、とりあえずコレ読めばOKです。

冒頭の

きょう、ママンが死んだ。

という一行を知っている人も多いと思います。

あらすじは簡単で、母親の葬式に涙を流さない主人公が、銃で人を殺してその理由を

「太陽が眩しかったから」

と語る、そんな話ですね(適当)

ただ真面目な話、このあらすじを追うこと自体には意味ないと思います。

また、無慈悲な主人公に共感できるorできないという視点も、あまり重要ではない気がします。

とりあえず短いので読んじゃうのが早いです。

あっという間に読了できるでしょうし、何より知名度も高い名作なので誰でも読んで損はないと思う一冊ですよ。

ヘミングウェイ「老人と海」と「全短編集」

次におすすめしたいのは、ヘミングウェイの

  • 全短編集

です。

ちなみに三冊ボリュームの全集なので「ナンセンスだろ」と思われる気はするんですが、おすすめしたかったんです。

ヘミングウェイで薄くて読みやすいと言ったら間違いなく「老人と海」なんですよ。

これ、実はすごく短いです。

有名なので知っている人も多いはずですし、ヘミングウェイ最初の一冊としておすすめしやすいです。

でもここではあえて「ヘミングウェイってたくさん短編書いてるんだよ」と伝えたかったんですよね。

個人的には

  • 白い象の山並み
  • 雨の中の猫
  • 清潔で、とても明るいところ

などが好きなんですが「これが傑作!」というよりは、人それぞれだと思うのでぜひ好きな話を見つけてください。

ちなみにヘミングウェイは「氷山の理論」というのが知られていて

もし作家が、自分の書いている主題を熟知しているなら、そのすべてを書く必要はない。その文章が十分な真実味を備えて書かれているなら、読者は省略された部分も強く感得できるはずである。

動く氷山の威厳は、水面下に隠された八分の七の部分に存する。

と語っています。

まあ、わかりやすくいうと、氷山って見えてる部分はほんの少しだよな?

優れた小説も同じだぜ?

水面下にある見えない大事なモンは、お前らが読み取ってくれるよな?みたいな感じです(適当)

だからヘミングウェイってすごく簡素な文体(英語も簡単)なんですが、逆に大人向けな気がします。

中学生の頃に初めて「老人と海」を読んだのですが当時、全く面白いと思えなく「???」と首を傾げながら、そっと本棚に戻した瞬間を今でも覚えています。

若いうちに読んでおいたほうがいい本というのもあると思います。

が、ヘミングウェイは完全に逆ではないでしょうか。

スルメ的な魅力があり、年令を重ねてから何度読んでも新しい発見がある、そんな印象です。

ヘルマン・ヘッセ「車輪の下」

次に紹介するのは、ヘルマン・ヘッセ

  • 車輪の下

という本です。

有名なので読んだことある人も多いのではないかと思います。

短編と言うには長いですが、割とサクッと読める長さ+今でも世界中で読まれる古典名作ですよね。

あらすじは簡単に言うと、周りの期待を背負いながら田舎で必死に勉強に打ち込んできた「ガリ勉」主人公が、進学先で一人の奔放な友人に出会い影響を受けて

「今まで俺がやってきたことって…」

と精神のバランスを崩してどんどん転落していくみたいな話です(適当)

「車輪の下」は名作です。

が、若者が主人公に共感するという読み方は個人的にはおすすめしません(精神を病みそうだから)

むしろ「ヘルマン・ヘッセの車輪の下を読んで、立派な読書感想文を書きなさいね」と鼻息荒くしている親自身が読んで、自分のエゴを子どもに押し付けていないか再確認すべき文学という感じです。

実は子どもより大人向け、自分が親になる機会があれば読み直したい一冊だと思っています。

ツルゲーネフ「はつ恋」

次におすすめするのは

  • ツルゲーネフ「初恋」

です。

ツルゲーネフのはつ恋は、イイ

あらすじを超わかりやすく説明すると、16歳のウブな主人公が

  • ジナイーダ

っていう小悪魔令嬢に惚れちゃう(=初恋)という話です。

このジナイーダが、割とヤバイ。

自分のファンの男の子たちを家に集めて「ジナイーダちゃんを囲む会」みたいなのを定期的に開いてるんです。

そういう女だってわかってるのに、惚れちゃう主人公。

そして案の定、全く相手にされない。

そんな小悪魔ジナイーダが本気で恋に落ちた相手とは…?

という展開も含めてかなり苦々しい物語ですが、若さゆえの痛々しい恋を描いた物語が好きな人は気にいると思います。

自身の作品の中で一番「初恋」が好きだといったツルゲーネフが、生涯独身だったのも考えさせられますね。

堅苦しい古典と思っている人もいるかも知れませんが、誰でも手軽にサクサクと読める類の物語という点でもおすすめ度は高いです。

(Kindleアプリから無料でダウンロードできるので、気になる方はぜひ)

ドストエフスキー「やさしい女・白夜」

ツルゲーネフに続いてロシア文学の巨匠ドストエフスキーの

  • やさしい女
  • 白夜

をおすすめします。

ドストエフスキーは「カラマーゾフの兄弟」とか「罪と罰」とかで有名な文豪ですが、こういった作品は

いかんせん長い

「こんな分厚い本、読めへんわ」って挫折する人いるでしょうし、気軽に読みづらい雰囲気が漂っています。

なのでドストエフスキー最初の一冊として、こちらの短編すごくおすすめです。

個人的には「やさしい女」がイチオシ。

もうね、主人公の愚かさが辛くて目を背けたくなるレベル。

(でもちょっと気持ちわかる、みたいな)

好意や愛というのは相手に伝えてナンボだな、と教訓を得たような気持ちになりました。

胸にグサッとくるほど主人公に共感する人もいれば、全く共感できず気に入らない人もいそうですね。

(多分、後者のほうが精神が健康な気がします)

ちなみにロベール・ブレッソンという監督がどちらの作品も映画化しているのですが、これも割と傑作なのでフランス映画好きな方はぜひ。

個人的に映画は「白夜」の方が好きで、原作は「やさしい女」のほうが好きでした。

好みも分かれる二篇だろうな、と感じます。

その他:こんな短編小説もあります

ここまで10作品紹介したのですが終わりが見えない気がしてきたので、残りは思いついた本をサクッとまとめておきます。

海外文学(短編)のタイトルをもっと知りたい人は参考にしてください。

サキ短編集

ブラックユーモアたっぷりの短編集。

まさにイギリスという感じ(?)で、すごくシニカルな話が多い。

軽快なショートショートを気楽な気持ちで堪能できる「サキ短編集」は装丁も可愛くて、誰にでもおすすめの一冊。

カフカ「変身」

カフカの「変身」目覚めたら毒虫とか(絶句)

短いけど、早く終わってほしいと辛く思うほどに不条理で、閉塞感に満ちてる。

「城」「審判」などの代表作も無料で「青空文庫」や「Kindle」のアプリで読めるので、気になる人はぜひ。

ゲーテ「若きウェルテルの悩み」

有名な「若きウェルテルの悩み」世界史とかで習う古典って思ってる人も多そうだが、実は読みやすくて薄い。

簡単に言うと、人妻に片思いしてるナイーブな男の話。

岩波文庫の紹介記事でも、おすすめにあげていたので参考までに。

ポール・オースター「幽霊たち」

ポール・オースターの「ニューヨーク三部作」の二作目。

三冊とも、比較的薄くて手に取りやすい。

特徴は「オシャレ・都会的・意味が全くわからない」ちょっとフィルム・ノワールっぽ感じ。

ちなみに冒頭は

まずはじめにブルーがいる。次にホワイトがいて、そもそものはじまりの前にはブラウンがいる。ブラウンがブルーに仕事を教え、コツを伝授し、ブラウンが年老いたとき、ブルーがあとを継いだのだ。

ここまで読んで気になった人は、ぜひ。

エドガー・アラン・ポー「アッシャー家の崩壊」

1830年代に書かれたゴシック小説(の超有名な短編)

語り手が、アッシャー家で遭遇したという奇怪な出来事はもはや完全にホラー。

夜中に読むと背筋がゾッとするかも。

※これも「青空文庫」や「Kindle」のアプリで無料で読めるのでぜひ。

ウィリアム・フォークナー「フォークナー短編集」

「響きと怒り」「八月の光」で有名なウィリアム・フォークナーの短編集。

実際に行ったことのないアメリカ南部の情景や匂いを、まざまざと想像させられた重厚な一冊。

「エミリーに薔薇を」「納屋は燃える」などが有名。

ゴーゴリー「鼻」

今まで紹介した短編は暗いものが多いけれど、ゴーゴリーの「鼻」はくすっと笑える。

ある日、突然パンから人間の鼻が出てくるという冒頭。

そこから「鼻」をめぐるシュールで奇妙な物語が展開されていき、思わず惹き込まれてあっという間に読める短編。

ウィリアム・ゴールディン「蝿の王」

無人島に不時着して少年たちがサバイバル、崩壊していく閉塞的な人間関係がもたらす、悲劇的な顛末とは…。

そんな感じの物語。

これは良い意味で、中学生くらいの子どもに積極的に読ませたくなる本(比較的短くて読みやすい)

ジョージ・オーウェル「動物農場」

人間の農場主を追い出して、動物たちが理想の楽園のような「動物農場」を自ら運営しだす。

指導者は賢いブタ。

だが、その特権意識は徐々にエスカレートしていき…という話。

有名な大人のための風刺文学、結末も予想通りだが、いかなる時代もこれを他人事にしてはならないと改めて痛感。

キャサリン・マンスフィールド「園遊会」

あまり有名ではないかも知れないけど、好きな一冊としておすすめしたいマンスフィールドの短編集。

一番有名なのは「園遊会」という話。

劇的な物語、というわけではないけれども読後の余韻があり、非常に瑞々しい。

ヴァージニア・ウルフが好きな人は、特に気に入りそう。

まとめ|手軽に読める短編小説の魅力

ということで今回は、海外文学の中から

  • おすすめの短編

を紹介してみました。

また思いついたり、良いなと思うものがあれば追記していこうと思います。

色々あげてみましたが、こういったものは人それぞれ好みがあるので、他人のレビューは無視して自分だけの傑作を見つけるのが楽しいかも知れませんね(笑)

最近もちょこちょこ短編を読んでいるんですが「フランク・オコナー短編集」というのが、とても良い感じです。

ちなみにこのブログの名前(The Cat’s Pajamas)というのも「猫のパジャマ」という短編から採りました。

最後に。

たまに勘違いしている人いるので参考までに強調しておきますが、kindleはデバイスがなくても無料アプリでスマホから読めます。

※↓買わなくてもOKです。

今回紹介した中にも無料で読めるものがあるので、知らなかった人はぜひ。

あとこれも気づいていない人いるんですが、プライム会員ならプライムリーディングも読み放題です。

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そのうえで、海外文学の有名作品を漁りたい人は、Kindle unlimited(初回は30日間無料)を使うと結構たくさん(光文社古典新訳文庫が登録されているので)読むことができますよ。

(私も、かなり活用させていただきました)

↓光文社古典新訳文庫はこういう装丁が特徴です。

ずっと加入するのはもったいないので、時間があるときに限定して一気に読んじゃうのがおすすめです。

私もまだまだ読んでない本が山ほどあるので、少しずつ好きな作品を増やしたいと思います。

それでは好き勝手書いている長い記事になってしまいましたが、最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。

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