女だけど青年漫画が好き!おすすめ9作品を紹介【完結作のみ】
日本には山ほど面白い漫画が存在していますよね。
そして何故かそのほとんどが
- 「男性向け」
- 「女性向け」
といった具合に性別で分類されています。
でも女の子だって男性向けの漫画…
読みます!
思えば小学生の時、友だちとの話題はもっぱら「悪魔の実を1つ選んで食べるなら、どれを選ぶか」ということばかりでした。
「スラムダンクの中で好きなキャラは誰?」
と聞かれれば即座に
とモノマネした後「でも流川くんかな♡」と答えてしまうことでしょう。
年齢と共に、最近では少年漫画あまり読まなくなりました。
その代わり青年漫画を読むことが増えたようにも思います。
ということで今回は、個人的におすすめの青年漫画を9作品まとめてみたいと思います。
作品数が多いので縛りとして、すべて完結済みの作品のみを選びました。
大分好みに依っているかと思いますが、もし気になる作品がありましたら、ぜひまとめて一気読みしてみてください。
それでは、いってみましょう!
1、手堅くまとめた圧倒的良作*浦沢直樹『PLUTO』
最初にオススメしたいのはこちら!浦沢直樹氏の『PLUTO』という作品です。
浦沢直樹さんといえば、誰もが知っている有名漫画家。
代表作を挙げようと思えば尽きません。
が、私が一番浦沢作品でお勧めしたいのが、この『PLUTO』という漫画なのです。
この作品の魅力は何と言っても
全8巻完結という点です!
凄くないですか…?
浦沢直樹さんの漫画で全8巻完結ですよ…?
ちなみに、浦沢直樹さんの代表作総巻数は
- 『20世紀少年』(全24巻)
- 『YAWARA!』(全29巻)
- 『MASTERキートン』(全18巻)
- 『MONSTER』(全18巻)
となっています。
そう、浦沢直樹氏といえば1つの作品が長い!!!
そのため途中で「この話、結局どうなるんだ」と疲れてしまうこともあります。
例えば『20世紀少年』
面白いのでつい読んでしまったのですが、謎が謎を呼び謎を呼んで謎のままに終わり日が暮れた大人気海外ドラマ『LOST』のような印象でした。
その点『PLUTO』は凄いです。
浦沢直樹さんには珍しいくらい、非常にスッキリした長さで物語が終わっています。
- 内容もとても面白い
- スピーディーでまとまり良い
- 蛇足感は一切ない
ということで、まだ読んだことのないマンガ好きの方には、ぜひ一度手に取ってほしい作品です。
初めて浦沢直樹さんの漫画を読むという方にも読みやすい作品だと思います。
他の浦沢作品は読んでいても『PLUTO』は読んでいないという方は、勿体ないと思います。
ぜひ休日のちょっとした楽しみとして、手にお取りください。オススメです。
2、詩的に味わうミニマム漫画*町田洋『夜とコンクリート』
次にお勧めするのがこちら町田洋さんの『夜とコンクリート』という作品です。
こちらは短編集が入ったアンソロジーです。
非常に簡素な線で描いたシンプルな画といった感じです。
素晴らしく劇的な話があるわけでも、戦いが描かれているわけでも、天才がいるわけでもありません。
けれど胸にぽっと火がともるような日常系の素敵なお話が詰まっています。
町田さんの作品は、どれも同じような感じで安心して読むことのできるお話が多いです。
そして家の本棚にそっと一冊入れておきたくなるようなものでもあります。
まだ読んだことない人には、おすすめの漫画家さんです。
3、背筋がゾクッとするサスペンス漫画*乃木坂太郎『幽麗塔』
次にお勧めしたいのは、乃木坂太郎の『幽麗塔』という漫画です。
聞いたことないという人も多いかもしれません。
しかし乃木坂太郎さんは大ヒット漫画(ドラマにもなった)『医龍』を描いた漫画家といえば、ピンとくる方も多いのではないでしょうか?
『医龍』も、とても面白い作品です。
しかし、個人的にはあまり知られていない『幽麗塔』の方をオススメ作品として挙げておきたいと思いました。
こちらは昭和の神戸の街を舞台にしたサスペンス漫画です。
金なし主人公・太一は、或る日「幽霊塔の財宝探しを手伝えば、金も名誉も手に入る」と謎の美青年から声をかけられます。
その言葉に惑わされ、彼は街に伝わる心霊スポット幽霊塔を探索することになるのだが…という冒頭です。
この漫画の良い点は
続きが気になってしまう
という点です。
絵柄も綺麗で読みやすく、サスペンス漫画としての面白さも十分です。
何より男女の性を両極端に描くのでなく、そのマージナルな部分をうまく描いてトリックの一つにしているという点に面白さを感じました。
読みやすい作品ですので普段、青年漫画を読まないという女性にもお勧めです。
4、スポーツ漫画の傑作*松本大洋『ピンポン』
次に紹介するのは、松本大洋氏の代表作『ピンポン』です。
これは他のスポーツ漫画を圧倒するくらい完成度高い漫画作品の1つだと思います。
作者の画力、物語の緩急、全体的なまとまり、キャラクターの魅力に至るまで非の打ちどころがありません。
個人的にすごいと思うのが、キャラクターの配置の仕方です。
スポーツ漫画って、大体物語のパターンが決まっているんです。
例えば、よく出てくるキャラクターは
- (皆気づいていない&本人も無自覚)実は途轍もない才能を秘めた天才キャラ
- (天才を意識しながら苦しむ)超努力型の有能キャラ
- (かつては名プレーヤーだったがケガで引退した)人生を変えるコーチ
- (圧倒的なライバルとして君臨するが最後に主人公に負ける)飄々と結果を残す秀才キャラ
といった感じです。
しかし『ピンポン』は、ちょっと違ったパターンのキャラクターをあえて主人公に据えています。それが
- (実は能力があるのに)先天的な才能に溺れ、努力をしないビッグマウス
というペコという主人公なんです。
この漫画は「努力」と「才能」という人が思わず別のものとして二分してしまいやすいものが、如何なる相互関係にあるのかということを、考察している漫画でもあるように個人的には感じました。
自分の能力に胡坐をかき、ビッグマウスで努力しないというキャラクターを主人公にしているスポーツ漫画って、あまりないです。
だって、読者はそんな主人公あまり好きになれないじゃないですか?
でも、実際にはこういう心理を持っている人って、割と多いと思うんです。
つまり「あえて本気を出さない」っていうスタンスです。
その心理には「人より努力しなくてもできる自分というプライド」そして「努力して自分の底が見えてしまう恐怖心」があるといえます。
この漫画で松本さんは、私たちが日常で持ちやすい負の心理をあえて主人公で体現しているんです。
こういう微妙な心理状態にある主人公を据えながら、あくまでサブキャラクター(例えば、本来は主人公になるタイプのスマイルなど)の魅力できちんと物語を補い、最終的に主人公の成長物語を描き、読者にもまた気付きを与えています。
単純に、凄い漫画です。
ちなみに映画もあります。こちらも面白くはありますが
個人的にお勧めなのは、アニメです。
クオリティが高すぎて、一気見してしまいました。普段アニメを見ないという方にもまずは1話お勧めしたいと思います。
「努力」とは何かを真剣に考えてみたという記事で『ピンポン』を引用しながら、努力について真剣に考察を行っていますので、よろしければぜひ。
5、禍々しさに目を奪われて*岩明均『寄生獣』
次に紹介するのは岩明均さんの『寄生獣』という漫画です。
映画化もされたので、ご存知の方も多いと思います。
が、ぜひ漫画で読んでほしい作品です。
ある日突然、謎のパラサイトが右手に寄生してしまった高校生の苦悩や戦いを描いた物語です。
突然変異で超人的な力を手に入れる主人公というパターンは多いのですが、それを「寄生獣」と呼ぶタイトルネーミングの良さはあっぱれです。
個人的に面白いのが、この「寄生獣」が個別の意思をもって、主人公の体を侵食している点にあります。
例えば、スパイダーマンだって蜘蛛に宿られたという点では同じなんです。
でも蜘蛛が意志を持っているわけでなく、あくまで主導権は主人公にあり、スーパーマンとして難なく活躍できます。
しかし、この漫画にあるのは、自分の体の変異が自分一人でコントロールできないという禍々しさです。全体的に非常に人間臭いストーリーでもありますが、その人間という生き物を極めて俯瞰的に見つめる「寄生獣」ミギーの存在が、また面白いスパイスになっています。
90年代初頭に描かれた一度は読みたい、漫画史に刻まれる傑作と言えるでしょう。
ちなみに同じ岩明均さんの『ヒストリエ』という漫画もお勧めです。
6、ただのエロ漫画じゃない!『ヒメゴト~19歳の制服~』
次にお勧めしたいのがこちら『ヒメゴト~19歳の制服~』という漫画です。
ちょっと変化球を狙って紹介してみました。
大人になり切れない子供でもない19歳という半端な少年少女の性をテーマにした作品になります。
こちらはかなりイロモノ系の青年漫画ですので、なかなか過激な描写が多い漫画です。そういったものが苦手な人には正直お勧めしにくいものがあります。
が!
個人的に、これはただの青年向けエロ漫画では無いと思っています。
何故かというと読み終えた後
すごく感動した
からです…!
この漫画の良い点は、人間のもっている性衝動に関して、作者なりの考えがきちんとうかがえる点です。そして1人1人のキャラクターがもつ悩みを、とことん丁寧に掘り下げています。
- ストーリー展開が気になる
- 登場人物の心理描写がうまい
- 読後感が良い
とおすすめ度が高いです。
また、性を通して人間の外面ではわからない内面を過激に描き、読み手の度肝を抜いてやろうという作者の野心も感じます。
そのうえで青年漫画としてのお決まり(どっきりするエロ描写や、ハプニング、女性の身体など)を上手に描き、男性読者の支持をうまく獲得することを決して忘れていません。
その巧みさには思わず、舌を巻くものがありました。
ちなみにこの作者さんは現在描いている『初恋ゾンビ』という漫画の方が知られている方かもしれません。
こちらはよりライトなタッチの少年向け漫画ではあります。
が、個人の秘められた欲望を暴露することに主題を置き、男女という性別の微妙な部分を描きながら物語を展開しているという点で『ヒメゴト』に近しいものを感じます。
性別は明かされていないようですが、この漫画家さんは多分女性じゃないかな?
どんな漫画でも偏見を持たず読むことができるという耐性のあるマンガ好きで、まだ手を付けていないという方がいれば、女性にも男性にもおすすめです。
またこの漫画は、広告で配信されていることも多く、無料で何巻か立ち読みできる場合が多いです。
確か私は「Renta!」さんで3巻無料キャンペーン中だったときに読んでハマり、結局全部読破してしまいました。
気になる方はぜひ一度読んでみてほしいです。
7、音楽漫画の金字塔*一色まこと『ピアノの森』
次にお勧めするのは『ピアノの森』という漫画です。
これはもう
ただの名作ですよね…!
(しみじみ)
この漫画の素晴らしいと思う点は音楽一筋という点です。
簡単にあらすじを追うと、主人公はピアノの天才。
でも、その才能を知っているのはごく一部の人間だけ。環境が彼の才能を開花させることを阻み、本人も自分が持っている力の凄さに気づいていない。
しかし、彼の音楽に魅了された人との出会いによってその才能が次第に開花していき、彼の人生も大きく変わっていくというストーリーです。
実はこの物語構造、『のだめカンタービレ』という漫画もほぼ同じなんです。
或る意味でこちらは『ピアノの森』に「恋愛」と「コメディ」を非常にうまく織り交ぜて後続大ヒットした漫画といえます。
『のだめカンタービレ』も非常に面白いです。
ですが、やはり少女漫画なので、主人公二人の恋愛模様にドギマギする楽しさが要にあり、物語の骨子にあります。実は、女性のためのシンデレラストーリーといった様相が強いです。
同じように近年ヒットした『四月は君の嘘』という漫画も、音楽をテーマにしているものの、主に描いているのは少年少女の恋愛が主な、美しい青春劇です。
一方で『ピアノの森』は本当に音楽に懸けてる少年たちの成長、苦悩、友情を描いたスポコン漫画的な要素が強いです。
一言でいうと
恋愛してる場合じゃねぇ
っていう必死さがあります。
だからこそ地味な場面も多いです。しかし作品全体を通して、丁寧に主人公やサブキャラクターの成長を丁寧に描いており、非常に好感をもてます。
そして単純に、泣けます。
大人が休日に読む楽しみとして、充分だと思います。普段漫画を読まないという方にもお勧めです。
8、才能の狂気を覗き見る『累(かさね)』
次にお勧めするのは、演劇を舞台にしたサスペンス『累(かさね)』です。
この漫画は男性よりも女性の方が面白いかもしれません。
主人公は、天才的な演技力をもつ累(かさね)という少女です。
彼女の演技力は、人並外れた天性のものなのですが、普通に生活していても、彼女がそれを活かす場面は訪れません。
なぜなら、彼女の容姿があまりにも醜いから。
でもそんな彼女の人生が、ある事件をきっかけに大きく変わることになります。
この漫画は
- 第一話からすごく面白い
- 先の展開が気になる
- 作者の絵が上手い
です。
終盤~最終回にかけて少し尻すぼみな感じもしましたが、最近完結した漫画の中ではおすすめできると思います。
9、「響子さん、好きだぁ!」*高橋留美子『めぞん一刻』
最後に紹介するのがこちら高橋留美子さんの『めぞん一刻』です。
この漫画は
本当にいい
アニメで知ってるとか、最終回だけ知ってるとか、名台詞だけ聞いたことあるとか、じゃなくて全巻のいたるところに良い場面が沢山がある漫画なんです!
ぜひ、手に取って読んでみてください。
ちなみに私はこの漫画が非常に好きで、過去記事で既に熱く語っています。
興味がある方はぜひお読みください。
補足*青年誌発行の少女漫画*高野苺『orange』
青年漫画として発行されてはいるものの、明らかに女性をターゲットにしている漫画でお勧めもあります。
例えばこちらの『orange』という漫画です。
映画にもなりました少女漫画という風体なのですが実はアクションコミックスなんですね。
もともと別冊マーガレットで連載されていたものですので、少女漫画とも言えますが、男性も女性も読める作品だと思います。
完結済みで巻数6巻までと読みやすいです。
まとめ|青年漫画は男性だけのためにあるのではない
ということで今回は個人的に面白いと感じている青年漫画を8作品紹介してみました。
順に
でした。
青年漫画の紹介記事は他にもありますが、人によって選ぶ作品は大きく異なるので、面白いなと感じます。
私はやはり女性ですので、その点で好みが寄っている(喧嘩もの・ヤクザもの・戦闘ものはそれほど選んでいない)といった傾向もあるように思いました。
未完結のおすすめ作品
また、今回は作品が完結しているという縛りで紹介させていただきました。
現在進行形で気になっている羽海野チカさんの将棋漫画『三月のライオン』
『ハチミツとクローバー』を十代の頃に何度も読んでいたこともあり、この作品もとても良いなと思いました。
高校生天才小説家を主人公にした『響』なども前半は非常に面白く読めました。
想像以上にバイオレンスなので、文学に詳しくなくても読める内容です。
スポコン漫画であれば『ボールルームへようこそ』とても注目度の高い漫画ですよね。
この漫画は、主人公の好感度が非常に高いですね。
すでに読んだけれども買って揃えたいなと思うのは、こちら。
作者の画力も世界観も、頭一つ抜きんでている作品です。
ほかには、友人に勧められて読んだこちらの漫画。
旅と探偵がテーマという一風変わった作品ですが、続きがとても気になっています。
ちなみに今、個人的に「きてるな」と思っている青年漫画はこれ。
正直、題名を見たときは読む気がしませんでした。
好きだった男の子が幽霊になって自分の元に帰ってくる、というただそれだけの設定なんですし、絵もそんなに上手いわけじゃない。
で、1巻を暇つぶしに読んだんですが
「これはすごい漫画きたな…」
と驚いてしまって、一気に全巻(現在5巻まで発売)読んでしまった作品です。
あまりに気になる漫画なので、単独のレビュー記事でも 書こうかなと思います。
ちなみにギャグマンガなら
- 『極道主婦』
が非常に面白いと思います。
1つ1つの話で必ず笑えますし、とてもセンスが良いなと感じます。
ちなみにギャグマンガに関しては、下の記事でまとめているのでよろしければ参考にして下さい。
私も未だ知らない作品が沢山あると思います。
女性だからと青年漫画を手に取ることをためらう人も多いと思いますが、意外と夢中になるということもあるかもしれません。
ということで、ぜひ参考にしてみてください。
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