プロテクターは必要ない?バイク乗車時のプロテクターの重要性について

今回の記事では、これからバイクを乗る人に向けて

  • プロテクターの必要性

についてまとめたいと思います。

突然ですが、バイク購入ってお金がかかりますよね。

そのうえ

  • ヘルメット
  • グローブ
  • ライディングシューズ

など様々な装備を揃える必要があります。

プロテクターまで購入するとなると、初期費用はどんどんと膨らんでいきます。

そのうえプロテクターはヘルメットとは違って、ないとバイクに乗れない装備ではありません。

見た目もなんだか

  • ダサい
  • カッコ悪い

と考えて、装着を躊躇う若者も多い気がします。

事故に遭った経験がなければ

  • プロテクター必要ないのでは?

と考えて購入を躊躇う人が多いのも当然かもしれません。

ですが、今回の記事では

  • プロテクターが買った方が良い

という警告の意味も込めて、初心者ライダー向けにプロテクターの重要性をまとめておこうと思います。

プロテクター購入を悩んでいるバイク初心者の方は、参考にしてください。

目次

1. バイク事故の死亡率は?

バイクの危険性を再確認するために以下、警察庁交通局が発表した令和元年の交通死亡事故の発生状況報告を引用します。

まず令和元年の、二輪乗車中の死亡者数は510人でした。

これは交通事故死亡者全体の15.9%にあたります。

二輪車の交通死亡事故統計(警視庁)

この表を単純に見ると、二輪よりも四輪の方が多いので

  • 車の方が危険

と考えてしまう人もいるかもしれません。

ですが、よく考えてみてください。

  • 車を持っている人
  • バイクを持っている人

どちらの数が多いと思いますか?

令和元年の自動車保有台数を確認したところ

  • 四輪車:78,588,878台
  • 二輪車:3,720,597台

でした。

つまり車と比較すると所有されているバイクの数は、20分の1という少なさでした。

それなのに死者数の構成率は

  • 四輪:1,083人(33.7%)
  • 二輪:510人(15.9%)

車の約2分の1という高さなのです。

これはバイク事故における死亡者数の割合がいかに多いかを端的に物語っていると思います。

2. バイク死亡事故の致命傷部位は?

さらにバイク死亡事故における

  • 致命傷部位

も確認しておきましょう。

以下のグラフから損傷主部位は、頭部・胸部・腹部の3か所であることが判明しています。

二輪車の交通死亡事故統計(警視庁)

頭部損傷が約半数を占めていることから

  • ヘルメットの重要性

にも改めて目を向けるべきでしょう。

アライ(ARAI) バイクヘルメット フルフェイス HR-MONO4 グラスブラック (61-62)
アライ(Arai)

大切なのは、ヘルメットを着用することだけではありません。

というのも、二輪事故死亡者(510人)の中でヘルメットを着けていなかった人は

  • わずか11人

なのです。

つまりヘルメットを着けていたのにも関わらず、頭部損傷が原因となり死亡しているのです。

これは何故でしょうか?

報告を読むと、死亡者の約40パーセントのヘルメットが

  • 事故時に脱落していた

そうです。

こちらの表を見ると、半キャップ型ヘルメットの脱落率は50%を超えていることがわかります。

ヘルメットのあごひも及び胸部プロテクターの着用状況調査結果

つまりヘルメットを着けるだけでなく

  • ユルユルでは駄目
  • あごヒモをしっかり結ぶ
  • フルフェイスヘルメットを使う

といった意識をしっかり持つことが、事故の予防につながるということになります。

3. 胸部プロテクターの重要性とは?

このうえで、次に気を付けるべきは第二の損傷主部位としてあがっている

  • 胸部

と判断できるでしょう。

日本において、頭部ヘルメット装着は

  • 義務付けられている

ので意識して着用している人がほとんどだと思います。

一方で

  • 胸部プロテクター

に関しては、意識が低い人も多いのではないでしょうか?

令和元年における警視庁のプロテクター着用率に関する報告によると、胸部プロテクター着用率は

  • わずか8.4%

という低さです。

※それでもこの数字は、平成19年度と比較すると2倍に増加していることがわかります。

繰り返しますがバイク死亡事故の致命傷部位は

  • 1位:頭部(48.2%)
  • 2位:胸部(27.7%)
  • 3位:腹部(9.4%)

です。

二輪車の交通死亡事故統計(警視庁)

あくまでこの数字は死亡事故に過ぎず、鎖骨骨折・肺挫傷といった様々な事故例があがるでしょう。

こういった事例はAmazonなどで

  • 胸部プロテクターの口コミ

を参照するのがおすすめです。

プロテクターがあったお陰で事故に遭っても助かった…というリアルな体験談を目にして危機感を持つことができるかと思います。

例えば以下、コミネのチェストアーマーに寄せられていた口コミの1つです。

先日後ろから追突され吹っ飛ばされ宙を舞い胸を強打。その時の記憶は有りませんが後の現場検証でそうなったと聞きました。

この商品は結構前に購入して必ず付けていました。肋骨にヒビが入りましたが逆にその程度。あとは擦り傷などの軽症。

付けてなかったら恐らく命を落としてたよ。と救急隊に言われました。夏などは暑苦しく慣れないと邪魔ですがもしもの時のために着用をオススメします。

こちらはコミネのプロテクターSK-688の口コミです。

夏の軽装通勤用に購入装着していましたが先日ショートツーリングで事故に会いアスファルト上を飛ぶように5,6回横方向へ回転ましたがSK-688を装着していたことで回転数をカウントする余裕が有りました。

しかし四肢は骨折と重度の挫創で現在も治療中ですがこれを装着していたおかげで体幹は無傷でした。救急車やドクターヘリの隊員もSK-688の効果に感心していました。職場ではスワットの防弾チョッキかと冷やかす人もいましたが正に命の恩人です。SK-688の表面は胸部も腰背部も無残な傷あとが散在していましたが割れたり引き裂けたりはしていませんでした。

おそらくバイクにおける胸部プロテクターは

  • シートベルト

のような気持ちで着用するのがベストだと思われます。

4. 後遺症につながる脊髄損傷

ここまであげたのは、あくまで

  • バイクにおける死亡事故

に関する危険性です。

事故の結果、体に大きな損傷を負ってしまったライダーも少なくないでしょう。

死亡原因としては希少ですが

  • 背中(脊髄)損傷

は、体幹の機能障害などの後遺症につながります。

体にマヒが残り、半身不随になってしまうという事態を防ぐためにも

  • 脊髄パッド

の着用は、最低限行うべきだと考えられるでしょう。

以下、こちらの書き込みから事故事例を引用させていただきました。

もうかなり前の話ですが、私の友人(男)が夜間にバイクで走行中タクシーに当てられ、下半身不随、車椅子な人になってしまいました。
本人に事故の事を聞くわけにもいかずあまり事故当時の詳細は知らないのですが、先日他の友人経由で聞いた話だと、その時彼が着ていたジャケットには脊椎パットは入っていなかったらしい? という事でした。
ガタイが大きくて体重もある人だったので、脊椎パットがあれば無事だったのかどうかはわかりませんが…。

少し調べればわかることですが、脊椎圧迫骨折による後遺症は決して珍しいケースではありません。

脊髄パッドは1つ3000円ほどの値段なので

  • 保険代と考えれば激安

かと思います。

5. バイク事故における足の損傷

背中(脊髄)と同じく、死亡事故の原因にはつながりませんが

  • 足の損傷

も注意すべき点でしょう。

実際、私もバイクに乗り始めて数週間くらいの頃にガードレールに左足をこすったことがあります。

  • 自足20kmほどの低速
  • 少しだけ左足がかすった

という感覚で痛みがなかったのですが、バイクを下りると服はビリビリで血が流れていました。

f:id:eno1081:20170521195445p:plain

普通に走行していたら、おそらく簡単に肉がそげていたと思います。

※これに反省して、膝用のプロテクターを着用するようになりました。

実際

  • 足が切断

されていたのに気づかずに走行していた、という驚くようなバイク事故事例もあります。

足切断に気づかないまま2キロ走行 

切断とまではいきませんが実際、転倒によって足を負傷するライダーは少なくないはずです。

以下、コミネの膝プロテクターの口コミから引用です。

先日、ツーリングに行ったときのこと。
少し走らせて、GPSトラッキングを始めようと、ちょっと空いたスペースに停めようとしたところ、砂がバラ巻かれていて、ズサーーー。ど派手にコケました。

[…]

でも、このプロテクタのおかげで、
「いてててて、やっちまった」程度ですみました。
あとで見たら、プロテクタがえぐれていて……
プロテクタがなかったら、おそらく、肉が殺げていたか、骨が折れていたか。
少なくとも、クラッチ部分の熱源が密着することによる火傷は避けられなかったでしょう。

実は、このツーリング前、いろんな方に
「大げさじゃないのか」「かっこわるい」「初心者丸出し」等言われていました。
それでも、このプロテクタは、私の足を守ってくれました。

他のライダーさんの言葉
「かっこよく走ろうとして棺桶で帰ってくるより、かっこわるく走れ」
そちらを心に刻んで、私はこのプロテクターをつけ続けたいと思います。

足が原因となり、命を落とすことはないかもしれませんが負傷により

  • 足を失う
  • 後遺症を抱える

可能性は十分にあると考えられます。

重要度順に

  • フルフェイスヘルメット
  • 胸部プロテクター
  • 脊髄パット

の次に考慮すべき部位として、参考にしてください。

5. なぜプロテクターを付けないのか?

ここで警視庁が発表している令和元年の二輪自動車聞き取り調査から

  • 胸部プロテクターを着用しない理由

を確認してみました。

すると

  • 1位:着用が面倒くさい
  • 2位:値段が高い
  • 3位:プロテクターを知らない

という結果になりました。

意外にも「カッコ悪い」という理由は少なく「面倒くさい」が非着用の理由の半数です。

ヘルメットのあごひも及び胸部プロテクターの着用状況調査結果

私自身の経験からも

  • 面倒臭い

という理由の意味が非常によくわかります。

ただ

  • ウエア内蔵タイプ

のプロテクターを着用すれば、ただバイク用のジャケットを着るだけで済みます。

何1つ面倒なことはありません。

  • 着脱も楽
  • 嵩張らない
  • 値段も安い

ものが多いので一度検討購入をおすすめします。

バイク用のジャケットには、プロテクターをいれるためのポケットが縫い込まれています。

ここに最低限

  • 背中

のプロテクターを詰め込んで、ツーリングに出かけると良いと思います。

実際に、プロテクター着用者の7割近くがウエア内蔵タイプの胸部プロテクターを利用している状況です。

ヘルメットのあごひも及び胸部プロテクターの着用状況調査結果

ジャケットがない人でも、ベストタイプのものもあります。

前開きになっているものであれば着脱も楽ですし、面倒臭いという理由を回避しやすいのではないでしょうか。

こういったものは装備としては最低限だと思いますが

  • ゼロよりは絶対にマシ

だと思います。

6. プロテクターの値段は本当に高いのか?

胸部プロテクターを付けない理由として

  • 値段が高い

という理由も第2位に上がっていました。

しかし実際プロテクターの値段は、数千円~1万円前後のものばかりです。

  • ずっと使える
  • 事故時の悲惨さ

を想定するなら逆に

  • 安すぎる

レベルではないでしょうか?

以下、コミネの背面バイクプロテクターに寄せられてた口コミです。

少し長いですが、ぜひ少しでも多くの人に目を通してほしいものだと感じました。

片側二車線の大通り。交差点を時速60キロ以上で通過中に対向の右折車が発進し、バイクの右側面に直撃。
追い越し側を走っていた私は左斜め前方に投げ出され、気付けば歩道の上で倒れていました。

事故当時の装備は上半身がメッシュジャケットとそれに内蔵した胸、肩、腕、背中のコミネ製プラスチックタイププロテクター。
下半身は革パンツに膝、大腿部側面、尻に縫い付けられたソフトタイププロテクター。
それとアライのフルフェイスヘルメット、プロテクター付きグローブ。ライディングシューズ。
下半身がソフトタイプなのを除けばほぼフル装備と言って良いのではないかと思われます(あとは首周りくらいでしょう)。

実際に負ったダメージは右手首粉砕骨折及び右大腿骨開放骨折。バイクはフレームがくの字に曲り廃車。
右手首は車との接触時に右に切れたバイクのハンドルによってへし折られたと思われます。
また、車のバンパーに蹴りを入れる形で接触した右膝はプロテクターのおかげで無事でしたが大腿骨が耐えられず飛び出たようです。
どちらも装備で防ぐのは難しかったと思われます。

ここからが大事な話なのですが、身に着けていた装備品はグローブとシューズを除いて全て使い物にならなくなりました。
肩肘腰膝その他人体の突起になる部位は裂けあるいは擦れ、メッシュジャケットであれば珍しい事でもないでしょうが、これは革パンツであっても例外はありません。
中でも酷いのが背中でした。投げ出された体が地面に叩きつけられた部位です。その瞬間の記憶は飛んでいるのですがヘルメットの後頭部にも大きな傷があるので間違いないと思われます。
私は時速60から70あたりの速度で車と接触し手首と大腿骨を折り、背中から地面に叩きつけられた後も全身を強く打ち付けながら20メートル以上の距離を移動しましたが、骨折した以外の部位は筋肉痛レベルの痛みがあった程度でその翌日には引いています。
もしもプロテクターを装備していなければもう何か所か折っていたでしょう。中でも特に、背骨はその可能性が高かったでしょう。

事故からこのレビューを投稿した時点で4か月経ちます。
当時一人で起き上がる事も食事することも排泄する事も叶わぬ状態でしたが今はもう退院し、後遺症の心配なくリハビリに励んでいます。
笑い話になってきた頃に新聞で同じような状況で亡くなったライダーの記事を知り、黙っていられなくなりました。
本当は全身の世話になったプロテクター全てに同じ内容を投稿したいのですが、長いわ面倒だわで今回は中でもお世話になったであろう背面プロテクターについてとなりました。

手術費用が300万すると相手方の保険屋が泣いていました。因みに葬儀費用もそれぐらいするようです。
ところがコミネのプロテクターはなんと全身揃えても3万でお釣りが出ます。
買うか買わないか?迷う必要があるんですか?

バイクに乗って死ねたら本望だろうと言う人間がいますが、そんなのはクソくらえです。
私はバイクに乗るのは好きですがバイクに乗って死にたくはありません。
私は生きてバイクを降ります。それはもっと未来の話ですが。
皆さんもきっとそうして下さいね

プロテクターを購入しようか悩んでいる初心者ライダーさんは、ぜひ参考にしてください。

まとめ|バイク乗車時のプロテクターの必要性について

ということで今回の記事では

  • バイク乗車時のプロテクターの必要性

について記事をまとめました。

このような記事を書きましたが、私自身

  • バイクはすごく楽しい乗り物

だと思っています。

ただバイクの危険性を自覚したうえで、その楽しさを理解できる人間でありたいと考えます。

すべての悲劇において、人はおそらく

  • 自分は大丈夫

と考えて予想外の事態に巻き込まれます。

自分はそんな事故には巻き込まれないだろう、という根拠なき自信がある。

被害に遭った誰もがそう思っていたのではないでしょうか。

自分だけは特別なんてことは、この世にありません。

プロテクターを着用しているライダーよりも、バイクの危険性を理解せずに軽装している人の方が圧倒的にカッコ悪いです。

少しでも当記事が、これからバイクに乗る方への注意喚起につながれば幸いです。

それでは最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました。

フルフェイスヘルメットの重要性についてはこちらの記事にもまとめているので参考にしてください。

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追記*女性向けのプロテクターについて

この記事を書いた後、コチラの記事に女性向けプロテクターの情報をまとめました。

というのもレディースは探すの大変で、私自身もすごく苦労したんです。

情報も少ないですし、同じような思いを抱えたまま「プロテクター面倒だな」となってしまうライダーさんが増えないようにまとめたつもりなので是非参考にしてください。

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