岩波文庫100冊読んだ本好きがおすすめ|読みやすい岩波文庫5冊+色別18選

私は学生のころ、岩波文庫を古本屋やAmazonで100冊ほど買いあさり、長期期間中に読み漁るという何ともストイックな読書体験をしたことがあります。
岩波文庫といえば、なんだか小難しいタイトルが多くて、字が小さくて読みにくいという印象を持っている方も多いはず。
そんな岩波文庫を、私がなぜ100冊も読んだのか?
理由は2つ。
1つは、岩波文庫を100冊読めば
- 4年間文学部の大学に通うのに勝る知識と教養が得られる
という言葉をどこかで目にしたからです。
文学研究科で修士号をもらう身としては、実践してみるしかないという生真面目さからでした。
もう1つの理由、それは失恋したからです。
(え?)
当時付き合っていた男性との恋愛に破れ、それはもう見るも無残な落ち武者のような日々を送っていた私は
- 辛い失恋を忘れるためには趣味に没頭するとよい
という教えに、はっとしました。
本好きの私は「じゃあ岩波文庫を読み漁ろう」という流れで、あれよあれよと文庫を買いあさり、部屋に引きこもり、昼も夜も岩波文庫を読み続けました。
皆さんのご想像する通り、途中で少し気が狂いそうにはなりましたし、このような常軌を逸した行動をとってしまう性格が恋愛に破れた原因なのでは、とまたもやハッとしたのも事実です。
さて置き、この経験を活かして
- オススメの岩波文庫が知りたい
- どの本を読んだらいいかわからない
という方にむけて
- とても読みやすい岩波文庫
を厳選して紹介したいと思います。
1、ショウペンハウエル『読書について』
まず紹介するのはこちらショウペンハウエル『読書について』です。
この本は非常に薄く、読みやすいうえに、刺激的な内容で、こちらの読書欲を掻き立ててくれる一冊です。
ちなみに『読書について』なんてタイトル、読書の素晴らしさを説いてくれる本だと思いませんか?
ところがどっこい。そんなに甘くありません。
読書とは他人にモノを考えてもらうことである。一日を多読に費やす勤勉な人間はしだいに自分でものを考える力を失っていく。
常に乗り物を使えば、ついには歩くことを忘れる。
しかしこれこそ多数の学者の実情である。彼らは多読の結果、愚者となった人間である。
これは読書好きを自負する人にとっては、かなり胸にぐさりとくる言葉じゃありませんか?
私は興奮で震えましたね。
ページをめくる手が全く止まらず、ぺろりと一冊読み終えてしまいました。
だってすごく言い回しが、素敵だと思いませんか。
紙に書かれた思想は一般に、砂に残った歩行者の足跡以上のものではないのである。歩行者のたどった道は見える。
だが歩行者がその途上で何を見たかを知るには、自分の目を用いなければならない。
良書とは常に時が流れても、物事の真理をつき、読み手を納得させてしまうことにあるのでしょう。
例えば、この一節。心当たりはありませんか?
書物を買求めるのは結構なことであろう。ただしついでにそれを読む時間も、買求めることができればである。
しかし多くの場合、我々は書物の購入と、その内容の獲得とを混同している。
買って満足して本棚に並べて読まない。
心当たりがあり過ぎて、ぐっとなりますね。
他にもこんな一節があります 。
人々はあらゆる時代の生み出した最良の書物には目もくれず、最も新しいものだけをつねに読むので、著作家たちは流行思想という狭い垣の中に安住し、時代はいよいよ深く自らの作り出す泥土に埋もれていく。
このような言葉に出会うとより一層、古典を愛する気持ちを大切にしようと思えてきます。
古典を軽視する人というのは、やはりどの時代にも多くいるものです。
古臭いと一蹴するものには、実は最新の自己啓発本よりもずっと簡潔に、もっと説得力を持った、力強い言葉が宿っていたりする。
そしてこのような事実に今も全く、気づいていない人も多くいる。
そしてこの本もまた読書に関する名著として、時を経ても多くの人に読んでほしいと願わずにはいられません。
2、アラン『幸福論』
次に紹介するのはアラン『幸福論』です。
世界三大幸福論と呼ばれるうちの一冊になります。
新聞の連載コラムとしてアランが書き綴ってきたものを書物にまとめた『幸福論』は1つ1つの章がとても簡潔で読みやすく、心に残る言葉の多い本です。
自分が倒れると思うと、ぼくは本当に倒れる。
自分が何もできないと思うと、ぼくは本当に何もできない。
自分の期待に裏切られると思うと、ぼくはほんとうに裏切られる。
そのことによく注意しなければならない。
良い天気を作り出すのも、嵐を作り出すのもぼく自身なのだ。
説明するまでもない一節ですね。
素晴らしいと思います。
個人的に、この本は名言の宝庫と思っているのですが、他にも
人間の世界が想像力によって牛耳られているのは、想像力はわれわれの習慣から自由になれないからだ。
だから、想像力は作り出すものではないといわねばならない。
作り出すのは行動である。
この言葉も深いと思います。
想像することのできない出来事は訪れないと思い込んでいる人間の思考の浅はかさに、アランは警鐘を鳴らしているんですね。
また彼は行動の重要性を、こう説いていたりもします。
いったいだれが、行く道を選んでから出発したか。
ぼくはそれを尋ねる。
だれも選択はしなかった。
なぜなら、われわれはみんな、最初は子どもであるから。
誰も選択しなかった。
みんな、まず行動したのだ。
こうして職業は、天性と環境の結果である。
だから、あれこれと考え込んでいる人はけっして決めることができない。
理由や動機を詮索する学校の分析ほど滑稽なものはない。
この本は、本当に好きです。
アランはとにかく視点が鋭く、文章がうまいですね。
最近の自己啓発本を読めば「行動が大事」ということは散々書かれています。
でも百年以上前の書物に、ずっと深い言葉で、説得力をもって、それを大衆に伝えていた人がいたということを知っておいても良いと思います。
ちなみに最近では下のようなお洒落なエッセンシャル本もあります。
けれどもできれば、言葉を切り取ったサマライズのような文庫ではなく、一冊そのまま本棚に収めてほしいと思います。
ちなみに世界三大幸福論のうち、残りの二冊は
- ラッセルの『幸福論』
- ヒルティの『幸福論』
です。
同時期にどちらも読みましたが、ヒルティの『幸福論』はやや宗教色が強いという印象でした。
あと第3部まであり、分厚くて読むのも大変でした。
個人的にはラッセルの『幸福論』も好きです
(が、今回はより好きなアランの『幸福論』を紹介いたしました)
バートランド・ラッセルなら『哲学入門』を先に読んだ本が面白いかもしれませんね。
読みやすい1冊ですし、哲学に興味がある方におすすめです。
『幸福論』の類は、薄いと言える厚さではないかもしれませんが、ぱらぱらとページをめくって気になるところを読むという付き合い方でも十分だと思います。
興味がある方は、ぜひ読んでみてください。
3、吉野源三郎『君たちはどう生きるか』
岩波文庫を読み漁るのであれば、必ず読んでおきたいと兼ねてから考えていた一冊。
岩波文庫のイメージからは程遠い読みやすい道徳的な内容になっています。
この物語では、コぺル君という男の子の成長を通して、大切な人生の教えを学ぶことができます。
私が好きなのはコぺル君が、友だちの北見君と仲違いをしてしまうシーンです。
ガキ大将の黒川に北見君がぼこぼこにされているのを見ていながら、怖くて助けに入ることができなかったコペル君。
彼はそれを悔やんで、知恵熱を出して、寝込んでしまいます。
そんなコぺル君に、彼のお母さんが語り掛ける「石段の思い出」というお話があるのです。
彼のお母さんは若い頃、重い荷物を背負って、石段を上っているお婆さんに出会いました。
そのお婆さんを見ながら、助けようか助けまいかといろいろと悩んだのですが、結局、悩んでいる間にお婆さんはその石段を登り切ってしまいました。
コペル君のお母さんは、その時の出来事を、こう語ります。
そうして、お母さんがそばを通た時、ちょっとお母さんの方を見たけれど、別に面白くもないという顔つきで、また向こうを向いてしまったの。
それだのに、おかしいわね。
お母さんの方では、その顔を今でもちゃんと覚えているんですよ。
コぺル君のお母さんは「なんてことないこの出来事」をずっと覚えていたといいます。
そして、こう語るのです。
あの石段の思い出がなかったら、お母さんは、自分の心の中のよいものやきれいなものを、今ほども生かしてくることが出来なかったでしょう。
人間の一生のうちに出会う一つ一つの出来事が、みんな一回限りのもので、二度と繰り返すことはないのだということも。
だから、その時、その時に、自分の中の綺麗な心をしっかりと生かしてゆかなければいけないのだということも、あの思い出がなかったら、ずっと後まで、気づかないでしまったかもしれないんです。
取り返しのつかない自分の行動で、大切な人の信頼を失ってしまったとしても。
それがどんなに悲しく悔やまれることだとしても。
- 「そんなことがあっても、それは決して損にはならないのよ」
とコぺル君のお母さんは語ります。
そのことだけを考えれば、そりゃあ取り返しがつかないけれど、その後悔のおかげで、人間として肝心なことを、心にしみとおるようにして知れば、その経験は無駄じゃあないんです。
それから後の生活が、そのおかげで、前よりもずっとしっかりした、深みのあるものになるんです。
私は当時、この言葉にとても救われました。
道徳的な内容ではありますが、 読みやすく、心に響く内容です。
ちなみにこの本を紹介されている方は多く、私が過去記事で紹介している喜多川泰さんのブックリストにも載っていました。
とてもおすすめですねね。
*後日談
こちらの本は現在、岩波文庫以外でも読むことができるようになりました。
この記事を書いているときは漫画になるなんて、思いもしていなかったので驚くばかりです。
ぜひ多くの方に手に取ってもらえたらと思います。
4、ゲーテ『若きウェルテルの悩み』
赤色の岩波文庫から、一番おすすめのモノを紹介させていただきます。
ゲーテ『若きウェルテルの悩み』です。
ちなみにこの『若きウェルテル』というタイトル、世界史の授業で習ったという方もいるのではないでしょうか。
世界史は用語を覚えるだけではあまりにつまらないと思います。
だって面白いんですよ、これ。
この本の内容をざっくり説明すると、ウェルテルという若者が一人の女性にずっと片思いし続けるという話です。
『若きウェルテルの悩み』には、興味深い逸話があります。
出版当時、作中でウェルテルが着ている青い燕尾服に黄色いチョッキとズボンというファッションが大流行。
さらに彼と同じ格好をして同じように発砲自殺してしまう青年が急増したのです。
当時の大ヒット本だったんですね。
ちなみにゲーテと言えば、かのナポレオンも大ファンの作家。
昔、ナポレオンは文学青年だったのはご存知でしょうか?
長文のラブレターを妻のジョゼフィーヌに送り付けており、後世にもそれが黒歴史(?)として残っているような人物です。
ゲーテの物語に登場する主人公に共感するところも多くあったのでしょうね。
▲フランス革命時に関しては、安達正勝さんの本が読みやすく、面白いのでおすすめです。
余談ですが私も恋愛下手で、十代は片思いばかりだったんですが、この本を読んで片思いをしている人の思い込みのすごさを客観視することができ、その後の恋愛パターンに劇的な変化をもたらすことが出来ました。
ゲーテさん、本当に有難うございます。
ということで報われない恋に悩んでいる方にも、ぜひ手に取って読んでほしいと思います。
めちゃくちゃ薄いので、すぐ読めます。
5、シュトルム『みずうみ』
最後は岩波文庫という点にこだわり、シュトルム『みずうみ』をおすすめしたいと思います。
この本は読後、妙に印象に残ってしまいました。
今でもまるで一枚の絵画を眺めたような感覚で、想像した情景がぱあっと脳裏に蘇ります。
お互い思いあっているのに結ばれなかった男女の儚い恋を描いています。
ありふれた恋愛物語と言ってしまえばそうなのですが、なんとも尾を引きずる美しさがあり、個人的には手放すことが出来ない一冊です。
記憶違いだと申し訳ないのですが、『みずうみ』は岩波文庫でしか読むことが出来ないということで、最後に挙げておきたいと思いました。
あまり知られていない一冊かもしれませんが、海外文学好きな方におすすめしたいです。
まとめ|本好きがおすすめする読みやすい岩波文庫5選
ということで、あまり岩波文庫を読んだことがない人にも手に取りやすい本を5冊紹介させていただきました。
最初に戻れば、失恋を忘れるために行った岩波文庫乱読。
やはり、一定の効果がありました。
あの半年で一番泣くことの少なかったのは、岩波文庫にハマっていたときだなと振り返って思います。
ただし、読めばいいというものじゃない。
大量の本を一気に読んでも咀嚼できるわけがないのです。
最後にショウペンハウエルの教えを引いて、今回の記事を終えたいと思います。
「反復は研究の母なり」。
重要な書物はいかなるものも、続けて二度読むべきである。
精進したいと思います。
補足*おすすめの岩波文庫をもっと知りたい方へ
当記事では「とても読みやすい岩波文庫」という主題で、5冊だけおすすめの岩波文庫を紹介してみました。
ただ私のように
- 山のように岩波文庫を読みたい
という方もいらっしゃるでしょう。
以下、岩波文庫の帯カラーによる色分け別に「読みやすいかは別として」私が読んだことのあるオススメの本を簡単に紹介しておきます。
なお岩波文庫の色分けは
- 青:思想・哲学・宗教・歴史・教育・美術・音楽・自然科学など
- 赤:外国文学
- 黄:日本文学(古典)
- 緑:日本文学(近代・現代)
- 白:政治・経済・社会・法律(実学)
となっています。参考にしてください。
青色のおすすめ岩波文庫
▲おそらく刊行以来、一番読まれている古典中の古典。ものすごく薄い。
▲世界史でも名前があがるシュリーマンの自伝。ミケーネ文明の遺跡を発掘したことで有名。
(本当か嘘か怪しいともされていますが)15ヶ国語を自在に操ったという「語学の天才」とも知られいて、外国語の勉強法が気になる人にもおすすめ。
(私は岩波文庫で読みました)
▲『社会契約論』や『エミール』で知られるルソーの出世作として知られる、芸術論。自分の興味と合致していたこともあり、他の本より面白く読めた。
▲『社会契約論』に関しては18世紀のフランス当時の歴史的背景(フランス革命勃発前)を理解していないと文脈が分かり辛いのではないかと思う。フランス革命の導火線ともいわれる本。
▲ルソーの『エミール』も教育改革論の古典だが、彼本人は5人の子どもを全員捨て、孤児院に入れているという点も興味深い。
ちなみにルソーは超がつく変人(奇人)として有名だったらしい。
▲個人的にキルケゴールに興味があったので読んだが、あまり意味がわからなかった。
キルケゴールといえば、大好きな婚約者がいたにも関わらず「自分といると不幸になる」という揺るぎない思い込み(原因は幼少期の彼の父親の言葉だが)で、彼女と別れてしまった人。
別れた後もずっと彼女(レギーネ)を引きずっていて、キルケゴールの文章を読むとよく彼女の名前が出てくる。
▲『孫子』も手に取ったが分厚く、摘まみ読みになってしまった。自分にとって必要な部分を抜き取るような読み方の方がおすすめかも。
▲青色の岩波文庫の中には当然、日本人が書いたものもある。
この本のように電子書籍で無料で読むことができるものも非常に多いので、購入前にKindleをチェックするのもおすすめ。
▲映画好きにおすすめしたいアンドレ・バザンの評論集。岩波文庫には20世紀に書かれた本も多く揃っている。
※映画に関する本は、下の記事に紹介しています。

赤色のおすすめ岩波文庫
▲1つ1つの話は短いので、摘まみ読みをすれば案外に読みやすいかも(?)イングランドの騎士物語やアーサー王物語に興味がある人におすすめ。
私は「騎士ガウェインの結婚」という話が読みたくて購入した。
▲薄くて読みやすいが、あくまで「詩」なので上記で紹介しなかった。
ランボオの『地獄の季節』は最初の1頁を読めば自分に必要な本(詞)かわかるだろう。
岩波文庫は小林秀雄訳で、個人的にはおそらく一生手元に持ち続けるだろう一冊。
▲こちらも人気が高い赤色の岩波文庫。アメリカ建国の父であり「Time is money」の格言で知られるベンジャミン・フランクリンの自伝。
ちょっとした自己啓発本としても読みやすく実用的な一冊だと思う。
世界文学のおすすめは山ほどある
私も「若きウェルテルの悩み」を紹介しているので説得力に欠けるが、個人的に赤色の岩波文庫に関しては
- 世界文学なので他の出版社の文庫ある
- =理由が無い限り「岩波」に拘る必要ない
例えば、エミリー・ブロンテの『嵐が丘』は寝るのを忘れて一気読みしてしまう面白さ
同じくブロンテ姉妹の1人シャーロットの代表作「ジェーン・エア」は下手な恋愛漫画を読むよりもドキドキハラハラ。
特に女性は楽しい時間を過ごせるはず。
ロシア文学を読んだことが無ければ、ツルゲーネフ「はつ恋」は薄くて読みやすく、かつ面白いと思う。
ジナイーダという恐ろしい小悪魔女子に惚れて、掌で転がされまくる主人公の青春劇。
ドストエフスキーなら、いきなり「カラマーゾフの兄弟」を読むより短編を読んで相性確認するのがおすすめ。
紹介しだすとキリがないのでやめておきますが、 気になった本は色々と乱読してみるのがおすすめ。
黄色のおすすめの岩波文庫
黄色に関しても、日本文学の古典になるので別の文庫を読んだ方が分かりやすい。
おすすめは「角川書店」の「ビギナーズ・クラシックス」シリーズ。
解説も詳しく、非常に読みやすい。
黄色帯ではないか『論語』といった古典も、いきなり岩波文庫を読むより、こちらを先に読むのをおすすめしておく。
緑色のおすすめ岩波文庫
中勘助の『銀の匙』は確か岩波文庫にしかないはずなので、読むのがおすすめ。
緑の岩波文庫に関しても、わざわざ「岩波文庫」にこだわる必要はないように思う。
というのも「青空文庫」という電子書籍でスマホから多くの名作を無料で読むことができるからだ。
これはパブリックドメインの文学作品をネット上で無償公開しているサイトで、死後50年(現在は70年)経った日本の作家の著作なら、ほぼすべて読める。
無料で読める、個人的におすすめの作家をあげておくと
- 夏目漱石
- 森鴎外
- 芥川龍之介
- 梶井基次郎
- 夢野久作
- 江戸川乱歩
- 梶井基次郎
- 太宰治
- 谷崎潤一郎
など挙げ出したらキリがないが、名前を知っている作家はすべて読んでみたら良いとも思う。
※三島由紀夫はパブリックドメインではないので無料で読めない。また私の場合、岩波文庫100冊乱読の前に日本文学に関してはかなり読んでいたので、ほぼ手を付けなかった。
ちなみに私の推し文豪は、梶井基次郎と谷崎潤一郎。
ほかにも個人的に気に入ってる本は購入していて、少し紹介すると泉鏡花。
ちなみに泉鏡花の文章に関しては「山月記」で有名な中島敦が
日本には花の名所があるように、日本の文学にも情緒の名所がある。
泉鏡花氏の芸術が即ちそれだ。
[…]私がここで大威張りで言いたいのは、日本人に生れながら、あるいは日本語を解しながら、鏡花の作品を読まないのは、折角の日本人たる特権を抛棄しているようなものだ。
ということである。
と述べている。
つまり
「日本人に生まれたのに泉鏡花読んでないの?それ日本人としての特権放棄してない?ってか超もったいないじゃん?」
で、確かに泉鏡花の文章は美しい。
生まれながらに母語として、その美を感じられるのは、日本人としての特権だというのは言い過ぎではないと思う。
白色のおすすめ岩波文庫
最後に白色。
今回は「読みやすい」とまとめたが、逆に読んでも良くわからなかった岩波文庫も多くあった。
例えば有名なこれ。
私の知識不足が何より勝ると思うのだが、分厚いうえによくわからず、くらくらした一冊だった。
この本に関してはあとから、池上彰さん「世界を変えた10冊の本 (文春文庫)」という本に書かれている解説をたまたま読み、ほほうとなったので機会があれば読み直したい。
同じマックス・ウェーバーでも、薄くて読みやすいのはこちら。
白色の岩波文庫の中では、最初の一冊としておすすめ。
最後に|おすすめ岩波文庫を読み漁る前に…
ということで本を紹介しだすと、終わりがないのでここまでにさせていただきます。
補足までに、哲学系は
- 著者がどんな人物か
- どのような哲学を説いているか
といった大まかな流れを知っておくと理解が深まり楽しいかもしれません。
良ければ、下の過去記事なども参考にしてください。

ちなみに、私の部屋の本棚は未だに岩波文庫だらけなのですが
- 電子書籍で買えばよかったな
と今更ながらに後悔しています。
色々と本が溢れすぎて、今はほとんどの本をkindleで購入してます。
ちなみにkindleはアプリを無料でダウンロードして、携帯で普通に読むことができるので、非常にお勧めです。
岩波文庫を読む上では特に
- 小さな文字を拡大することができる
- 重要箇所にラインを引いて、見返すのが楽
- 保存場所に困らない
といったメリットが光ります。
これから「よし!たくさん読むぞ!」と気合を入れている方がいれば、ぜひ参考にしてください。
また最近、私自身はAmazonプライム読み放題サービスを使って読書をすることが多いです。
光文社古典新訳文庫が意外に多く入っているので、重宝しています。
新訳ですので、岩波文庫よりも読みやすい文体で訳されているのが特徴ですね。
ちなみにAmazonプライムは1か月間無料で使えます。
※学生なら、6か月無料で利用することができます。
数百冊の本が読み放題に加えて
- 映画見放題
- 音楽100万曲聞き放題
- Amazon送料無料
などのサービスもついてくるので、学生なら登録しない理由がないと思います。
話題の本も手軽に読めることが多いので、気になる方はお試しください。
プライムに関しては紹介記事も書きましたが、お得としか言えないサービスなので、既に入っている人ばかりかもしれませんね。

それでは当記事が、皆様の読書に何かしらの参考になるものがあれば、幸いです。
最後まで目を通してくださり、ありがとうございました!
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